動物病院は小さな総合病院のため、様々な病気を診察する必要があります。当院ではワクチン接種やフィラリア・ノミダニ予防、去勢手術や避妊手術などの予防医学から、皮膚科、消化器科、呼吸器科、循環器科等多岐にわたります。当院では対応し難い疾患についても専門医との協力体制をとれるようネットワークを構築しております。その中で特に以下の分野に当院では力を入れていますので、簡単にご紹介いたします。
内視鏡検査(消化器科・呼吸器科)
‣内視鏡検査について |
各種一般検査で原因不明の消化器症状や呼吸器症状を呈した場合に、直接粘膜表面を肉眼で観察し、組織を採材することで診断に役立つ検査です。
‣内視鏡で観察できる場所 |
口腔咽頭、食道、胃、十二指腸、回腸、結腸、直腸ならびに鼻咽頭、喉頭、気管の観察が可能です。
‣内視鏡で観察できる動物について |
小型犬~大型犬、猫まで対応できるように複数のスコープを装備しています。
‣内視鏡的治療について |
緊急時の異物摘出はもちろん、胃瘻チューブの設置、食道狭窄に対する食道拡張術、ポリペクトミーなど、使用は多岐にわたります。
‣内視鏡検査の方法 |
全身麻酔下にて検査を実施します。
‣当院での症例紹介 |
異物:1円玉
異物:裁縫針
異物:梅干しの種
胃腺癌
胃瘻チューブ設置
炎症性ポリープ
炎症性ポリープ⑵
気管虚脱
気管支腫瘍
気管腫瘍
喉頭腫瘍
食道内異物回収後
鼻腔内腫瘍(犬)
鼻腔内腫瘍(猫)
慢性腸症(犬)
慢性腸症(猫)
ホルター心電図検査(循環器科)
‣ホルター心電図検査について |
通常の心電図検査の記録は、30秒間と短時間のため、症状の原因となる心電図変化をとらえるとは限りません。そこで、日常生活をしながら長時間連続して心電図の記録が可能な検査です。
‣ホルター心電図検査の適応について |
失神発作やふらつきがみられる、もしくは心電図検査で明らかな不整脈が認められる場合に適応となります。
‣ホルター心電図検査の評価について |
日常生活で不整脈が起きるかどうか、あるいは発作などの症状が心臓に起因するのかが分かります。また、最高、最低心拍数や不整脈の種類、数、発生時間や心拍数との関係などから、不整脈の診断や薬物治療効果を判定することが出来ます。
‣当院での症例紹介 |
正常犬(洞調律)
洞不全症候群
失神時(9秒間の心停止)
心室性二段脈
大動脈血栓塞栓症:バルーンカテーテルによる血栓除去術(循環器科)
‣大動脈血栓塞栓症について |
心疾患猫(主に心筋症)で多く見られる合併症であり、突発的に発症することが多く、早期の段階で適切な処置を行わないと手遅れになることもある大変危険な疾患として知られています。
‣大動脈血栓塞栓症の症状について |
5つのPとして、重度の疼痛(pain)、両後肢麻痺(paralysis)、両後肢の脈拍触知不可能(pulselessness)、後肢遠位部の冷感(poikilothermy)、肉球の蒼白(pallor)。
‣大動脈血栓塞栓症の治療について |
内科的治療として、抗凝固薬や抗血小板薬を使用した抗血栓療法ならびに血栓溶解療法。外科的治療として、パルーンカテーテルによる血栓除去術。
‣バルーンカテーテルによる血栓除去術について |
当院では麻酔リスクが生じる点はあるものの、外科的侵襲が少なく短期間で目的を達成できる手技であるため、本術を大動脈血栓塞栓症の第一選択としています。
‣当院での症例紹介 |
心血管造影検査(循環器科)
‣心臓検査について |
心臓検査では問診、身体検査、血液検査、血圧測定、心電図検査、胸部レントゲン検査を実施した後、心エコー検査で心臓の内部構造の観察と血液の流れを詳細に評価し、心疾患の診断とその重症度判定を行います。
‣心血管造影検査について |
心疾患の多くは心エコー検査で非侵襲的に診断が可能であるものの、非侵襲的な心臓検査のみでは診断が下せなかった場合、もしくは先天性心疾患(動脈管開存症ならびに肺動脈弁狭窄症)の診断・治療を行う際に追加検査として実施します。
‣心血管造影検査の方法 |
全身麻酔下にて透視X線装置と特殊なカテーテルを使用して検査を実施します。
‣当院での症例紹介 |
正常:右心系
正常:左心系
動静脈瘻
動脈管開存症